POP ROCK SHOP
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11th Album(2008/1/30発売)
NFCD-27049
- LOVE
- Delicate
- Coolest Sister
- 別に奇跡なんかじゃないから
- 哀しみのボート
- バースデー
- Dance!
- 再会の魔術
- OVER
- 天気雨
- Don't Give It Up!
- 悲しみが遠くなってった
~各曲への想いを少しずつお話ししますね。~
1. LOVE
1990年にリリースした「笑顔にご注意。」、そのオープニング・ナンバー「イヤでもたのむよ」は、
左に柳沢二三男、右に僕のアコースティックギターで始まる素朴なラブソングでした。
18年経って、同じ二人が同じ定位で、同じLOVEの続きを奏でます。
かつての“不思議なlonely girl”が、今もあの窓辺に居るかどうかは分からないけど、
いつの間にかそれが心の拠り所になっていて、自分の頼りないLOVEを時々診てもらってるような、、。
もう少しちゃんと自分のペースをつかんて、 自分のLOVEに自信を持てるようになったら、逢いに行けるかも。
いや、そうなれたらもう逢わなくていいのかもしれません。
2. Delicate
サウンドの原案は2002年に出来上がっていました。
サビを更にキャッチーにしたいと考えながらも、その方策が浮かばないままリズム録りを始めたらピンと来た。
80年代風のゲートエコー処理をして、ドラムとベースをゴリゴリいわせちゃおうと。
更にこの歌には絶対女性が必要だと確信。
それもあの人!小谷美紗子さんしかいないじゃないの!
それにしてもやっぱり登場したダメな男。何とか自分のダメさを隠したまま愛の告白が出来ないもんかと悩んでるダメなヤツ。
しかもそれをデリケートな恋だなんて言ってるんだからますますダメです。
やっぱダメですよね小谷さん。、、、でも隠したいなあ。
3. Coolest Sister
2nd Album「BE GRAY」(1984年)に収録されている「DRIVE」のコードバターン、F/GとG9の繰り返しを24年振りに復活させてみました。
この進行が昔っから好きで、ライブアレンジなどでもよく使うのですが、歌詞に関しても3rd Album収録の「Mrs. Magic」や、5th収録の「So Cold, That Woman」などに登場する、とてもとても手の届かない“やばいオンナ”が再登場。
久しぶりにこういう青くさい歌が歌いたくなったのは一体どうしてかな。
ライブでシャウトして盛り上がりたかったから、ということにしておこう。
4. 別に奇跡なんかじゃないから
このアルバムには6年前に出来ていた曲から、つい最近作った曲まで、いろいろ入っていますが、この歌はいよいよ11枚目に向けて新しい歌を書こうと決意して、まず最初に出来上がった曲です(去年の2月頃かな)。
自分の音楽屋としての歩みを振り返えると、相変わらずで情けないぞという気持ちと、相変わらずで楽しいなという気持ちの両方があって、この両方ともが昔と同じように明日を見ています。
25年経った今の自分は、デビュー当時に描いていた厚かましい理想とはだいぶ違うけれど、その代わりに大切なもの、大切な人たちを愛する心を持てるようになったと思います。
5. 哀しみのボート
「湖」「霧」、更には「白いオール」「スワンの涙」などという象徴的な強いワードを使うと、当然シーンを限定してしまうのですが、それは承知の上です。
いいんです!だって歌っててめちゃめちゃ気持ちいいんだもの。子どもの頃好きだったハードロックの歌詞に、よくこういうのがあったなあ。湖水の霧が晴れると見慣れぬ古城が姿を現し、丘の上には鎧の騎士が、、、なんてね。
「笛の音、遠く」という歌詞の展開をどうしてもやりたくて、急遽メロトロンの音源を弾いてファンタジックな世界を作ってみました。
非常に音域の狭い楽器で、途中片チャンネル聴こえなくなる所があります。
6. バースデー
ここ数年、誕生日というやつを迎えるたびに、(それが自分のでも人のでも)この日こそ感謝の日なのだと強く思うようになりました。
自分を支えてくれている人に普段なかなか“心からのありがとう”を言えず困っていた僕は、やっとここに活路を見出したのです!(へんなの)。
誕生日にはエヘへと笑って“おめでとう”と一緒に“ありがとう”とか“ゴメン”とか、ついでに出来れば“愛してる”って言ってしまえ!世界中でこれをやったらどうでしょう。
素敵なハーモニーを作ってくれた真紀ちゃんと広沢くんはこのセッションをとても楽しんでくれたようです。
ありがとう!しかしウチのネコ達、いくら頼んでもなかなか泣かねーんだ。なでりおだてたり、録音苦労したぜ。
7. Dance!
“4つ打ち”の気持ち良さは前作の「素敵な最後」で部分的に経験済みだけど、こちらは全編だからさらに踊れます。今回収録された12曲のうち、「LOVE」と「OVER」以外はすべて打込みのデモを作っていて、そいつをスタジオで生楽器で演奏し直していったわけですが、この曲と次の「再会の魔術」に関してはデモ
のままの打込み素材をかなり使っています。
なぜなら!成田さんのドラム(我が国音楽界の宝)を際立たせたかったらに決まってます!いかがですかこのBadなグルーヴ!そして特筆すべきは伴さんのコーラスです。
非常にセクシーだと思います。黒澤楽器の“ある人”が悶えていました。
8. 再会の魔術
この曲はいつ作ったんだっけな?コレ好きなんだ。前半打ち込みなのが安っぽくってイイでしょ。
実は成田さんの生ドラムで全編録ってあったんだけど、リズム録りのあと欲が出て来た。
転調後の成田さんがあまりにもモノ凄いので、そこまで無機質な打ち込みで行って、転調の瞬間、生の“JBリズム”に変わって、パーンと弾けたい!と。でもコレを成田さんに伝えるのには勇気が要りましたよそりゃ。
「イヤイヤそんなの気にしないでどんやってください」と言われて急にイイ気になったサイトウ、コイツを更にアタッキーに仕上げたくなり、KEISONを呼んじゃった。これがまた大成功。男二人が肩を組んで安酒飲みながら純愛を歌っているみたいになって、ああ楽しい。さあみんな、夜空に口笛を吹こう!!
わずか8音のあのメロディーを!
9. OVER
別れの歌です。愛する人の幸せを祈って眠る哀しい男の歌。こういう内容に自分の主観をコメントするのは絶対面白くないからやめよう。
それより、この“ひとりコーラス”は苦労したなあ。何度もやり直した。
途中幾度も挫折しそうになったけど、その度に深町さんと成田さんの温かい演奏をよく聴いてアレンジし直して行った。
だから出来上がった時の喜びったらもう!とは言えコーラスダビングは一人きりだったので、深夜地味にひとり500mlの缶ビールでお祝いをしたのでした。
一体何人僕がいるんだろう。薄いハーモニーに聴こえるけど実は8人以上の僕がいます。
10. 天気雨
好きなら好きでイイじゃねーかとそりゃ思いますよ。明日は明日の風が吹くってんで、目の前の恋につっ走って燃え尽きりゃイイじゃねーかと、そりゃ思いますってば。
それが男ってもんだ。だけどそういう風にカラダの構造が出来てないんだから仕方ないじゃないの!いやあ煮え切らないねえ。
この歌がシングルになったのがとても嬉しい。
歌詞はこの通りいかにも僕だし、曲調はAORな僕だし、そしてシングルとしては88年の「Go Now」以来の間奏=ギターソロを披露できたし。
アルバムでのこの位置にも非常に満足しています。そろそろ「POP ROCK SHOP」、終盤に近づいて来ました。
11. Don't Give It Up !
これは絶対にやりたかった。70年代終わりから80年代初頭によく聴いた7thコードの16ビートもの。
こういうの根っから好きなくせに、気が付きゃ一曲もなかったものね。
こんなの今ラジオで掛かったの聴いた事ないでしょ。
だから僕がやるんです。そう、根本要に褒められたのはこの曲です。さすが同い年。
グルーヴが一緒なのだ。歌詞はというと、この歳になってようやく歌えた“頑張れソング”。
この歌のためならノドを潰すまでシャウトしたっていい。
いくらでも長く演りたい。歌えば歌うほど勇気が湧いてくるのだから。
12. 悲しみが遠くなってった
この歌に関しては非常に個人的な思いがあるので、お話するのが難しいです。
大切な人が突然いなくなると、とても慌てます。“もうここにいない”という事実が中々のみ込めなくて、必死に思い出をかき集めたり、今まで冷たかった自分を責めたり。
謝りたくてももうそこにいないから、ただただ途方にくれるばかりです。
やがて悲しみが本格的に襲って来て、涙。
しかしその押しつぶされそうな悲しみが、その後、日に日に薄くなっていくのはどうしてなのでしょう。
あんなに大好きだった大切な人を忘れていくなんて、そんな薄情なヤツなのか俺は。
おのれを軽蔑し、また落ち込んだりして、、、。でもこの別れ、大事なことを二つ教えてくれたんです。一つは勿論優しさとか思いやりの大切さ。もう一つは悲しみに時間を使いすぎちゃいけないんだってこと。
何年生きるか知らないけれど、限られた時間の中、早く笑顔に戻らなきゃってね。
--------------------- 参加メンバー ---------------------
LOVE
柳沢 二三男 Acoustic Guitar
斎藤誠 Acoustic Guitar
Delicate
成田昭彦 Percussion
河村カースケ智康 Drums
片山敦夫 Electric Piano/Hammond Organ
角田俊介 Electric Bass
斎藤誠 Guitars/Whistle
小谷美紗子 Chorus
Coolest Sister
成田昭彦 Percussion
河村カースケ智康 Drums
片山敦夫 Electric Piano
角田俊介 Electric Bass
斎藤誠 Guitars/Chorus/Programming
別に奇跡なんかじゃないから
成田昭彦 Percussion
河村カースケ智康 Drums
深町栄 Piano
角田俊介 Electric Bass
斎藤誠 Guitars
斎藤ネコ Strings Arrangement/Conductor
グレート栄田ストリングス
哀しみのボート
成田昭彦 Drums
片山敦夫 Hummond Organ
渡辺等 Acoustic Bass
斎藤誠 Guitars/Melotron/Programming
バースデー
成田昭彦 Percussion
河村カースケ智康 Drums
片山敦夫 Piano
角田俊介 Electric Bass
斎藤誠 Guitars/Chorus
gen & coo lovely meow
広沢タダシ Chorus
矢野真紀 Chorus
Dance!
成田昭彦 Drums
片山敦夫 Electric Piano
斎藤誠 Guitars/Chorus/Synthesizer/Programming
伴都美子 Chorus
再会の魔術
成田昭彦 Drums
片山敦夫 Hummond Organ/Piano
斎藤誠 Guitars/Chorus/Whistle/Synthesizer/Programming
Keison Chorus
OVER
成田昭彦 Percussion
深町栄 Synthesizer/Piano
斎藤誠 Guitar/Chorus
天気雨
成田昭彦 Percussion
河村カースケ智康 Drums
片山敦夫 Electric Piano
角田俊介 Electric Bass
斎藤誠 Guitars/Chorus
菅坡雅彦 Flugelhorn
川嶋あい Chorus
Don't Give It Up !
成田昭彦 Percussion
河村カースケ智康 Drums
片山敦夫 Piano/Hummond Organ
角田俊介 Electric Bass
斎藤誠 Guitars/Chorus
悲しみが遠くなってった
成田昭彦 Percussion
渡辺等 Acoustic Bass
斎藤誠 Guitars/Chorus
---------------------- 使用ギター ----------------------
LOVE
Martin OM Custom"LA-LA-LU"( 斎藤 )/Martin 000-28( 柳沢 )
Delicate
Martin O-18/Gibson Les Paul
Coolest Sister
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Martin D-28/Fender Telecaster Thinline(Backing)/Fender Stratocaster(lead)
別に奇跡なんかじゃないから
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Gibson Les Paul(Backing)/Fender Telecaster Thinline(lead)
哀しみのボート
Martin 0-21
バースデー
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Fender Telecaster Thinline
Dance!
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Gibson Les Paul jr
再会の魔術
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Fender Stratocaster
OVER
Martin 00-18C(nylon strings)
天気雨
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Fender Telecaster Thinline(Backing)/Edwards335type(lead)
Don't Give It Up !
Martin OM Custom"LA-LA-LU"/Fender Telecaster Thinline
悲しみが遠くなってった
Martin 0-21/Gibson Les Paul